妄想ロンドン会議

今すぐにでもロンドンに飛び立ちたいふたりが、現実には行けない今週のロンドン旅行プランを妄想するWEBサイトです。

Podcast 第42回を文字起こし:【ネタバレ】またも「奴ら」にしてやられた!『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』に散りばめられた、喜ばしき罠(1)

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この記事は、Miz & SinのPodcast「妄想ロンドン会議」の気ままなおしゃべりの中から、特にアクセスの多かった回をテキストで読めるように文字起こししたものです。ある時は激しく・ある時はゆるくマイペースに語られる、さすらいの女子二人組による本音トークを、収録時の雰囲気そのままにお届けします。
Podcast 第42回を文字起こし:【ネタバレ】またも「奴ら」にしてやられた!『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』に散りばめられた、喜ばしき罠(1)

今回文字起こししたエピソードはこちら。

それでは、文字トークスタート!

BBCドラマ『SHERLOCK』クリスマススペシャルを映画館で!

Miz 今すぐにでもロンドンに飛び立ちたい二人が、現実には行けない今週のロンドン旅行プランを妄想します。このポッドキャストでは、実際にロンドン旅行に行くまでがワンシーズンです。それまでインターネット上や雑誌に溢れるロンドン情報を駆使しながら妄想旅行をすることで、実際のロンドン旅行をより充実したものにするのが目的です。では、第42回妄想ロンドン会議を始めます。水口です。

Sin 清水です。

Miz よろしくお願いします! えー、我々、観て参りました。

Sin シャーロック……忌まわしき……。

Miz ちょっとウロいな(笑)。

Sin 英語、なんやっけって思いながら。

Miz 『The Abominable Bride』です。

www.bbc.co.uk

Photo by www.bbc.co.uk

Sin アド……(笑)。

Miz アボミネーブル。

Sin 言いにくいわ。アボミネーブルが「忌まわしき」?

Miz んー。なんかちょっと、忌まわしい感じの。

Sin (笑)ま、響き的にな。

Miz 忌まわしい感じよ!

Sin 『忌まわしき花嫁』、観て参りました。

Miz はい。こちらですね、国際的大ヒット作品である、イギリスはBBCの制作した21世紀版のシャーロック・ホームズ。

Sin あの、NHKでやってたやつね(笑)。

Miz やってましたね。日本でもお馴染み。ファンの方が全世界中におります。この作品の、今はシーズン3までできてるんですが、シーズン3とシーズン4の間の、スペシャル版。

Sin 待ってる、このファンたちへの、餌。

Miz (笑)おぉ。……なんかトゲがあるよね。

Sin 違う(笑)。だってさー、「本編早よ作りぃや」って思っちゃうやん!

Miz しゃあない。皆さん忙しいねん。

Sin それは本当にね。

Miz スペシャル版として、イギリスでは2016年の1月1日にクリスマススペシャルとして放映された……。

Sin 正月やん。

Miz 違いますよ、クリスマススペシャルです。

Sin 正月。

Miz いやいや、本編中でも「Merry christmas」「Merry christmas」言ってたじゃない?

Sin ですね。言ってたね。誰も「Happy new year!」って言ってなかったね。

Miz いやだから、イギリスでは、いやアメリカでもそうやと思うけど、Happy new yearなんて大したことない、春分とか秋分の日と一緒よ。

Sin あ、ただカレンダーを1枚めくるだけの日?

Miz そうだよ。

Sin えぇー。お餅とか食べへんか、そうか。

Miz お餅は食べんな。お餅を食べるからといってHappy new yearかといったら、そうでもない。

Sin そうやな。

Miz 因みに私は正月じゃなくてもお餅は食べるけどな。

Sin せやな。よう食べてんな。

Miz お餅は好きやけど。

Sin そっか。

Miz だって、12月25日からたった5日しか過ぎてないじゃない。それはクリスマスだよ。日本は26日になったらもうお正月のことしか考えない民族だけども。

Sin なんなら25日からね(笑)。

Miz (笑)なんかね、クリスマスはクリスマスイブで終わりみたいな雰囲気が。

Sin 変な風潮あるよね。

Miz うん。いやでも違うんだよ。向こうはそりゃ、その前後はクリスマスだよ。

Sin そっか。じゃ、クリスマススペシャルなのね。

Miz もう。英国好きなんでしょ? ちゃんと理解して。

Sin そうやなー。そこにスイッチングしていかなあかんな。

Miz そう。だから私たちも「Happy new year!」とか「正月!」とか言ってんと、もうちょっとクリスマスを今年は。

Sin そうだね、推していこうかね。なんなら見ないようにしてるイベントやったから(笑)。

Miz 11月からクリスマスのことを(笑)。だって前、11月にロンドン行った時さ、上旬も上旬やったのに街がクリスマス一色になってたじゃない。

Sin 飾り付けえらいことなってたな。

Miz 早! と思って。

Sin クリスマスセール一色やったよね、話題は。

Miz そう。まぁでも、日本でもさ、お正月引っ張るじゃない。いつまで正月やってんねんと。松の内とはいうものの。1月20日でもお正月スペシャルのドラマとかあるじゃない。

Sin あるねぇ。

Miz そういうことだと思うよ。

Sin そういうことか。分かった。理解。

Miz 理解?

Sin イギリス理解を深めた。

Miz 良かった(笑)。まぁそういうわけで、クリスマススペシャルとして制作されたのが、『SHERLOCK/シャーロック
忌まわしき花嫁』というわけでございますね。

Sin で、本国ではお茶の間の皆様がご覧になられてたやつが、満を持して劇場公開ですよ。

Miz そう。日本だけじゃなくて他の全世界、後もちろんイギリスでも映画館での公開があったんだよね。

Sin あ、そっか。イギリスでもやっててんね。

Miz そうそう。だから、今回の何がいつもとちょっと違うかというと。いつもは、もともとヴィクトリア時代の、コナン・ドイル原作の『シャーロック・ホームズ』。それを、まぁBBC版では、舞台を21世紀に置き換えて作っていた。それがデフォルトだったわけだけれども。

Sin そこがまぁ新しさやったしね。

Miz そうですね。で、それをですね、もう一周させて、その現代版シャーロック・ホームズが、現代版の設定のままにヴィクトリア朝時代のシャーロック・ホームズとして活躍してたらどうなるか、みたいな。パロディのパロディ。

Sin 戻ってきてるけど、戻り方は普通じゃないのよね。

Miz そうなの。

Sin ややこしい!

Miz ややこしい(笑)。

Sin けど、それが魅力。

『忌まわしき花嫁』の「喜ばしき罠」

Miz でも、ちょっとおふざけと言いますかお祭り感と言いますか。そういう「シーズン3とシーズン4の箸休め的な作品なのかな」と思いきや、実は……っていうのが、またこの制作者のスティーヴン・モファットさんとマーク・ゲイティスさんが私たちにプレゼントとして用意してくれた、「喜ばしき罠」だったりして。

Sin 『忌まわしき花嫁』の「喜ばしき罠」やね(笑)。

Miz そうです(笑)。

Sin ちょっと掛けてんね、今。

Miz (笑)ちょっとね、「忌まわしき」っていうのが言い難くて言い難くて。

Sin そうやねん、いまぅわすぃき……

Miz そうやねん。スマホでね、「忌まわしき」で調べたら、「今 和式」って出てくるからね。

Sin 昔、洋式……。そういうことかな? トイレは逆やけどな。

Miz (笑)そういう作品を、映画館で拝見して来ました! いやー、たくさん入ってたね、お客さん。

Sin もう割と満員に近かったんやない?

Miz 初日の13時台の。

Sin だから2回目の上映かな、その映画館自体でも。

Miz まずお客さんの層がね。

Sin うん、びっくりした。

Miz びっくりしたね。なんかもっとこう、なんとなくやけどね、女性が多いのかなって思ってた。

Sin そうやねん。なんか客層的にベネディクト・カンバーバッチさんファン、マーティン・フリーマンさんファンは圧倒的に女姓が多いから、女性で埋め尽くされてるのかな、と勝手に想像しててんけど。

Miz してた。

Sin とんと違いましたね。

Miz 全然違いました。あの、男性の、しかもちょっとお年を召された感じの方のお一人様がすごい多かった。

Sin 多かったね。なんかそういう日やったんかね。

Miz どうなんやろうね。

Sin でも金曜日やから、別にそんなサービスないよね。

Miz ないし、金曜の平日のお昼だよ。

Sin そう。だからちょっと、もうリタイヤされた方。

Miz そんな感じの方、多かった。ま、サラリーマン的な人はあんまいなくて。休日のお父さんな感じやったよね。

Sin まぁまぁご夫婦連れで来られていたり、一人でふらっと来たよみたいな方が、思いの外……というか半分ぐらいだったんじゃね? ぐらいの。

Miz 男性の方がなんなら多かった。

Sin びっくり。

Miz だからまぁ、NHKすげぇなってことと、やっぱ根強い人気がね、感じられるなと思いました。

Sin シャーロック・ホームズ物はもう見逃すわけにはいかねぇぜっていう。

Miz あぁ、シャーロキアンね。

Sin うん。グラナダ版から全部観てるような。

Miz ロシア版も観てるぜ、みたいな。

Sin 犬版も知ってるぜ、みたいな。

Miz (笑)それ、私も知ってる。犬のホームズ。

Sin めっちゃ好き(笑)。そうそう。そんな方なのか、まぁ『SHERLOCK』っていう作品をちゃんと毎週チェックしたおじ様方がハードディスクを観直し劇場にやって来られたのか、ちょっと分かんないんだけど。でも、意外やったね。

Miz やし、劇場もいっぱいやって。慌てて私、チケットを早朝に押さえましたからね。

Sin あわや、ちょっと見にくい席になりかけるくらい。

Miz そうそう、なんか前の方しかない、みたいなね。なので本当に……今日……? 今日は二日目? あ、これね(笑)。

Sin そうなんです。

Miz (笑)すいません。ちょっとこの収録ですね、実は『SHERLOCK』の2月19日の13時の回を観終わった後にすぐ収録したんですよね、このレビューを。

Sin その足でね。

Miz すぐ! すぐやりました。ただ、すぐやってしまったが為に、ちょっとグダグダやって……。

Sin 疲れ過ぎて。

Miz ひどいなっていう(笑)。

Sin なんかね、喋ろうという努力がから回るっていう、ちょっと不幸な目に遭いまして。

Miz これは良くないと思って、録り直しをね、翌日の2月20日にしております。

Sin なので、WEBとかで見てくださってる方は、私たちの都合上、この後に録った『夜中に犬に起こった奇妙な事件』の方を先にアップさせていただいてるので。

Miz しかもその『犬』の冒頭で、「いやぁ、さっき録った『SHERLOCK』の回、ほんまグダグダやったな」みたいなことを喋ってるんですけど、それはお蔵入りになってる方なので、これは比較的ちゃんと喋ります(笑)。

Sin 「グダグダじゃない方」ということを書いて上げよか。

Miz そうですね。ま、これだけ聞いてらっしゃる方は「なんのこっちゃ」って感じですけどね。

Sin うん。

「ネットではなく《新聞》、メールではなく《電報》、タクシーではなく《馬車》で事件に挑む?!」

Miz ま、そんな感じで、だから昨日、観て参りましてね。一晩経って、興奮だったりとか疑問点もある程度落ち着いた状態、ということでよろしいですかね?

Sin うん。一晩寝て元気になった。

Miz (笑)疲れたね。昨日は疲れました。

Sin ほんとねぇ、精神力を使うでしょ。こんなに待ってた映画をさ、ま、舞台作品だったりテレビ作品だったりはしたけれど、2本続けて観れるっていう興奮で、ちょっと前の日に寝損ねててさ。

Miz (笑)そうですね。

Sin 遠足の前の日の子供みたいになってて。から回るっていう。

Miz 否めないです。

Sin こんな楽しみにしてた『SHERLOCK』ですよ。

Miz どういうお話だったのかというのを、説明しときます?

Sin はい。え、今は過去の流れで大丈夫ですか?

Miz これ、大丈夫です。

Sin スイッチオフタイミングは。

Miz まだです。これ、今から読むのは公式さんが上げてくださってるストーリーの部分なんで。

Sin あ、じゃあ待機しときます。

Miz はい。どんな話だったかというと。「1895年、冬のロンドン。トーマス・リコレッティは古いウエディングドレスをまとった妻の姿を見て驚きを隠せなかった。なぜなら彼の妻は、数時間前に自ら命を絶ったばかりだったのだ……。リコレッティ夫人の幽霊は、癒されることのない復讐への執念とともに路地を徘徊する。霧に覆われたライムハウスから荒廃した教会の跡地に至るまで、ホームズとワトソン、そして彼らの友人たちは、冥界からやってきた敵を相手に頭脳戦を繰り広げる。そしてついに明かされる“忌まわしき花嫁”の驚くべき真実とは……!」

Sin キャー!

Miz そうやね(笑)。なるとこやね。はい、ということで煽り文句がね、「ネットではなく《新聞》、メールではなく《電報》、タクシーではなく《馬車》で事件に挑む?!」って書いてまして(笑)。

Sin 「挑む?!」。疑問形。

Miz そうなんです(笑)。

Sin そうね。だからえっと、『SHERLOCK』が今までシーズン1から3にかけて最大の魅力と言われてきた、現代に生きるシャーロック・ホームズが現代の最新機器を使って捜査する。ってことを全てかなぐり捨てたよね。

Miz そう。だからそもそもの元のヴィクトリア朝時代のシャーロック・ホームズは最先端だったんだよね。私らから見たら古い時代の話やけども、そこに生きていたシャーロック・ホームズはその時代で最先端の機器を使っていたと。その最先端の機器っていうのが新聞だったり電報だったり馬車だったり。

Sin そうだね。

Miz そういうこと。で、現代に置き換えて最先端っていったら何やろうって言ったら、まぁタクシーだったりネットだったりスマホだったり、みたいな。

Sin スマホね。

Miz そういうことなんですよね。

Sin そういうことだね。

Miz だからこの作品が面白いのは、もともとパロディだったものの更なるパロディっていうことで。二重にね、まず作品を私たちが観た時に「あー、ここ、現代版と比べたらこういう風に変わってるんや!」っていう風に楽しめる箇所がいっぱいあったっていう。

Sin あのね、ちょっと用意し過ぎ(笑)。

Miz (笑)ね。

Sin 気が抜けなさ過ぎる。

Miz ま、あの一番最初に、本編が始まる前にプロデューサーであり脚本家でもあるスティーヴン・モファットさんが特別映像で、撮影現場である221Bを紹介してくれるルームツアーの画像が。

Sin 元祖221Bになるのかな?

Miz そうそう。それがあったんですけども。そこにあったのは正典の『シャーロック・ホームズ』から、現代版では拾えなかったところを反映させていたりとか、今度は逆に正典にはなかったけど現代版であったやつをそこに盛り込んでたりとかっていう。
Sin だからその、『SHERLOCK』を観た時に「あれ、こんな部屋になってるよ」って思ったのが、更に捻られ一回転し、「戻ったけど戻ってないよ」っていうことになってたよね(笑)。

Miz 例えば、現代版では、皆さんよくご存知かと思うんですけども、シーズン1のエピソード3、『大いなるゲーム』。この時にですね、「退屈だ、退屈だ」とソファにグダーッとなってたシャーロックが銃を取り出し、壁にスマイルマークを撃ち抜くっていう、そういう描写があったと思うんです。

Sin 何故だ。

Miz 「退屈だから」と言ってね。それはなんでかと言うと。なんでなんですか、清水さん。

Sin ……え、なにが?

Miz え! あ、質問の仕方が悪かったかな。現代版ではスマイルマークでしたけど、あれは原作の正典の方では壁に「VR」っていう文字を撃ち抜く。

Sin あー、そういうことか! なんでスマイルマークなんかって聞かれたんかと思って。

Miz それは私もちょっとよく分からへん。

Sin 知りたい。

Miz でもそれは言ってたよ。「今やったらスマイルマークかな」っていってスマイルにしたらしい。その「VR」っていう部分を。

Sin あぁ。「VR」とは、ヴィクトリア女王だよね。

Miz そう。

Sin の、頭文字を、何故か! そっちも「何故か」やから良いんか。

Miz まぁね。

Sin あのー、私たち、神戸の北野にあるシャーロック・ホームズ館に一回行ったよね。

Miz 行きました。

Sin そこにもちゃんと壁に「VR」って穴開いてたよね。

Miz 開いてました。

Sin あれはだから、外せない。

Miz あれは絶対。なんか、なんならなかったらモグリみたいな。

Sin まずチェックするポイントだよね。

Miz 「あ、あるある」って。モファットさんも言ってたもんね。「これで「VR」やっとけば、うるさい方々も文句ないでしょ?」ってね。

Sin もうどこからどう見たって、ちゃんと221Bでしょっていう、分かりやすいマークをね。

Miz 「VR」の他に、ペルシャスリッパ。シャーロック・ホームズは煙草を嗜むということで。

Sin パイプでね。

Miz そうなんです。え、でも……。

Sin 紙巻もいってた?

Miz パイプかな。刻み煙草をなんでか知らんけどスリッパの中にね、入れてるっていう、そういう描写がありまして。

Sin お気に入りなんか。

Miz 暖炉横のスリッパ。それもちゃんと復活されてました。

Sin 映ってたね、ちゃんとね。

Miz そう。あと、ナイフに突き刺した手紙たち。

Photo by miz

Photo by miz

Sin あれもね、絶対チェックしちゃうよね。これこれってなるポイントではありますが。

Miz まぁその描写も、現代版のBBC版『SHERLOCK』で……。どっちもBBC版か(笑)。現代版の、シーズン1のエピソード1でシャーロックとジョンが出会った時に、シャーロックがジョンに「散らかってるな」って言われて、ババババッて手紙を纏めてそこにグサッとナイフで刺すっていう。

Sin タスンってね。

Miz そうそう。ちょっとそういうエピソードもあったりとかして。でも今度こそ、正典からのナイフ便箋みたいな、ね。

Sin ありましたね。

Miz そういう正典からの、「ふふっ」となる……。

Sin まぁまぁ正統派の。

Miz なんですけど。それだけじゃなくて、今度は221Bの現代版の方にあったやつも、逆に今回のヴィクトリア朝のやつに反映させている。

Sin 言ってしまえばおふざけってやつですわ(笑)。

Miz (笑)そうそう。ね、ありましてね。あの、壁に掛かっているドクロの絵。あれがなんかゴシックな感じに変わっててね。

Sin なんかパンクな絵だったのがね。

Miz 現代版はね。

Sin お洒落な。が、騙し絵になってたのかな。

Miz 女の人が鏡台に向かってお化粧しているみたいな、そういうのが、引いて見るとドクロに見えるっていう、ちょっと精神疑うようなね。

Sin 流行ってたのかね。あの、フルーツを描いてると思って遠くから見たらおじさんの顔やったりとか。若い女の人よと思ったら、引いて見たら老婆の顔だったみたいな騙し絵っていっぱいあるけど。そういうのの一つだよね、あれ。

Miz そう。それとか壁にね、現代版では、あれなんやろね、水牛かなんかの骨かな。

Sin 分からへん。……インパラ?(笑)

Miz (笑)なんか分からんけど、それ系の角の生えた動物を皆さん想像してください。ま、知ってるよね。それの……。

Sin あれは剥製? ……違うな、骨やな。

Miz あ、骨。骨が壁に掛かってて、そこにヘッドホンが掛かってたかと思いますけど。そうではなく今回は、鹿の首?

Sin だからあの、肉が戻ったのね。

Miz (笑)。ほんで、耳にね、ヘッドホンじゃなく聴診器が掛かってるっていう、これふざけてるよね……。

Sin いらんやん? 全く聴診器いらんやん。

Miz みたいな、そういうのもあり。更にあれだよね、しんちゃん見付けたんだよね。下の、SPEEDY’S CAFE?

Sin あれさ、SPEEDYって言葉が当時なかったのかね? ヴィクトリア朝に。SPEED WELLって書いとった。

Miz あの看板っていうか、幌のとこに?

Sin そうそう。あの赤い看……板。

Photo by Miz

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Miz 赤い屋根。

Sin 屋根か。あれ、すごい特徴的やんか。同じような奴はあってんけど、SPEED WELLって。

Miz なかったんやね、当時ね。

Sin スピーディー。

Miz ちょっと最近の言葉かもしれんね。うちらもさ、日本語でも昔なかった言葉が、ね。今。

Sin ナウい、とか?

Miz ……それ、もうないやろ。

Sin (笑)。

Miz なんとか「的な」、とか言ったりするやん。なんとか「っぽい」とか。

Sin あぁ。

Miz そういう感じで、今はなんかYをつけたりとか。doggyとかもなかったんちゃう。ワンちゃん、みたいなの。昔は。

Sin そうかぁ。

Miz なんとか「sh」とかもなかったと思う。

Sin なかったんやろねー。

Miz きっとそうやと思う。

Sin スピード ウェル。

Miz (笑)。

Sin まぁ意味はいいんか。

Miz なんか早そうな感じ。

Sin 「良いスピード」な感じでいいんかな?

Miz (笑)。だから「早く、素早く提供しますよ」的なあれ?

Sin そうか。早いよって?

Miz 分からん分からん。ま、いろんな意味を掛けてるんや思うけど。

(※ 「speed well」で調べたところ、「クワガタソウ属の植物」という意味の単語であることがわかりました。)

Sin ファストフード的なことか。

Miz でも決してね、ファストフード屋さんでもないからね、今のSPEEDY’S CAFEは。

Sin 普通にティールームだよね。

Miz うん。まぁちょっと分かんないけど。そうやってちょっと違ってたりとか。

Sin なんかその言葉の検証とかもちゃんと。今風のやつにちゃんと変えてあって、それをもう一回戻すんやなっていう見方ができるよね。

Miz 面白いよね。

Sin だからなんかさ、あの……。まだ内容は触れませんよ。

Miz 大丈夫大丈夫。

Sin あの、「僕の部屋はベイカーストリートの221B(ツーツーワンビー)だよ」って、シーズン1のエピソード1で言ってたシーンが。

Miz 「The address is Baker Street 221B.」バチコーン! ってやつでしょ?

Sin そう(笑)。バチコーンまでいかなきゃねっていう。の、221Bも言ってなかった。

Miz なんて言ってたん?

Sin トゥーハンドレット、トェンティワン、ビー。

Miz (笑)。

Sin 長い。

Miz そうやね。そういう風に言わないもんね。

Sin 「にーにーいちビー」じゃなくて「にひゃくにじゅういちビー」ってちゃんと言ってたってことだよね。

Miz そういう風にね。面白いよね。

Sin なんかそれ略するのも、「あ、そっか。これが現代風ってことか」っていうのを改めて気付かされるよね。面白い。ちゃんとそういうところでニヤリとできる作りになってるよね。

Miz うん。

Sin 細かい考察があったんやろね。どうやったら笑かせるかっていう。

Miz (笑)小ネタの捻り出し合い大会してたと思うよ。

Sin この小道具使えんじゃね? みたいなね。

Miz やってた思います。ま、そんな感じでお届けされるわけです。雰囲気分かっていただけたと思います。

Sin ヴィクトリア朝とは何たるか。

Miz うん。タクシーではなく馬車。メールではなく電報。

Sin 電報やったね。電話もまだないからね。

Miz ネットではなく新聞。でね、石畳でね。あの山高帽的な、シルクハット被って。

Sin うん。

Miz 女性もね、ちょっとゴシックな服着て。

Sin コルセット嵌めてらした時代ですね。

Miz そういう時代で繰り広げられるお話です。ということでですね、ここから……。

Sin はい、聞きたくない人切ってください(笑)。

Miz そうですね。ネタバレでお話の内容について話していきたいと思いますので。

Sin 観終わった後で、またお会いできればと思います。

Miz では、「まだ観てないよ」って方は、スイッチ オフ!

<これより完全ネタバレです。ご注意ください。>




Sin さて。

Miz いいんじゃないでしょうかね。

マーク・ゲイティスとスティーヴン・モファットに物申す!

Sin そんなヴィクトリア時代の『SHERLOCK』ですよ。

Miz えぇ、スペシャル版『SHERLOCK』。これね、スティーヴン・モファットさんとマーク・ゲイティスさんが私たちファンにね、「君たちの見たかったシャーロックとジョンを見せてあげるよ」と。「見たかっただろ、このヴィクトリア時代の二人を」って。で、「この時でしかできないお話やるよ」って。ちょっとゴシックなね、ホラーなね。これは、「やりたかった内容は現代版にはそぐわないから、このやりたかった内容はヴィクトリア時代にこそぴったり合うので」っていう。この今回取り扱う事件がね。ということで私たちは「そうなんか」と思って、待ってました。

Sin はい。

Miz で、蓋を開けてみたら、確かに「あぁ、これはこの事件は難しいな」と。現代版でやるのは。

Sin うん。

Miz なぜなら、犯人である花嫁がね。

Sin 忌まわしき人ね。

Miz この花嫁が、死んだはずの花嫁が蘇って人を殺すっていう、そういう設定の謎だったわけだけども。これやっぱりちょっとね、現代でやっちゃうと、現代の捜査力をもってすれば一瞬で解けちゃうなとか、ちょっと誤魔化せないな、と。昔の捜査力だからこそ騙されてしまうっていう、そういう設定が多い謎だったわけですけど。

Sin はい。

Miz あとやっぱりちょっとホラーっぽいところもあったので。

Sin そやね、怖かったね。

Miz 背景にやはりお城があったらいいな、とか、馬車が走ってる、ガス灯が烟ってる、なんかそっちの方がやぱり似合うというか、それは確かだなと思った。

Sin うん。

Miz けど、おいこら、マーク・ゲイティスとスティーヴン・モファット。お前、「一個の独立したスペシャルだよ」って言ってたじゃないか!ってたぶんご覧になったファンの方たちは思ってたと思う。シーズン3の引きのね、飛行機に乗った、そしてモリアーティが復活という報を聞いて、たった4分間で引き返してくる、そのシャーロックの場面に途中で急に切り替わるっていう、アクロバティックな編集をされてね。「あれ、これ間違えたんかな?」みたいなね。

Sin (笑)編集点間違えたんや。

Miz 「編集点間違えちゃったかな」みたいな。いや、まさにね、90分あるけれども、1時間弱くらいかな?
あの、もう忌まわしき花嫁の謎をヴィクトリア時代のジョンとシャーロック二人が謎を解いている、そして進んでいく。「さぁ、犯人は誰だ!」「どんなトリックだ!」っていうまさに暴こうとしたその瞬間にね、場面が飛行機に戻るっていう。

Sin びっくりするよね。

Miz 蓋を開けてみると、そのシーズン3と4の間の、お遊びでもなんでもなく、れっきとした続編でしたっていう。そしてもう、なんならその物語構成っていうのがその、現代版に戻ります、戻って話をしていたかと思いきや、またヴィクトリア時代に戻って、また現代に戻ってっていうのを何回も繰り返して。

Sin 何回も。

Miz え、何回もやったでしょ?

Sin 何回も。

Miz で、結局何かっていうと、シャーロックが4分間飛んだ後に地上に戻ってくるまでの、ま、4分プラス2分くらい、5〜6分の間の。

Sin こう、回ってる間が長いからね。

Miz そのシャーロックの頭の中のお話でしたって、そういう。

Sin まぁまぁすごい分量考えたよね。

Miz だから4分ちょいを90分に引き伸ばして、で、「モリアーティは生き返ったのかー、どうしたのかー」っていうのをシャーロックがマインドパレスでわーって考えて、結果「うーん、死んだもんは死んだー、生き返りはしなーい!」っていう結論を私たちに確認させるための90分間でした。

Sin ほんまそれだけやん……。

Miz うん。

Sin やねんよなー、びっくりすることに。この4分プラス何分かでコスプレまでして。

Miz (笑)。

Sin 頑張って考えた彼は素晴らしいと思うけどね。

Miz ヴィクトリア朝時代の。

Sin だから、その時代に合わせたことしてたやん。

Miz うん。

ヴィクトリア朝時代に蘇った、キャラクターたち。

Sin 例えばモリーは同じように死体置き場というか……モルグか、に勤めているけれど。

Miz 検死官やね。

Sin 検死官として勤めているけれど、その時代に女性がそこで働くことは許されないので、男装して。

Miz そう。女性のね、地位っていうのがすごい低かった時代なんだよね。

Sin お仕事する人たちではなかったんだよね、女性が。

Miz そうそう。最初のスティーヴン・モファットさんのルームツアーでも、ヴィクトリア時代の221Bにはキッチンがないって言ってて。なんでかって言ったら、男性が絶対料理しなかったっていうね。

Sin あれはだから、独身男性用のお部屋、なんだよね。シャーロックが住んでるのは。

Miz だから、ハドソン夫人が全てお世話してたんだと思う。

Sin 大家さんというか、本当にお世話する人。で、滞在する人は男性のみなので、料理をしないので、キッチンがない。

Miz きっとそうなんじゃないかな。

Sin そんな厳格な時代やねんよな。なんか全然想像ができないんやけどさ。今となっては。

Miz ま、さっきも、正典にはなかったアイテムを現代版『SHERLOCK』から引っ張って来て、今回のヴィクトリア時代のストーリーに反映させてるって言ったけれども、モリーっていうキャラクターも実はそうで、モリー自体も正典には出てこないキャラクターなんだよね。で、その出てこないキャラクターが現代版では出てきてて、モルグで働く検死官としてシャーロックに協力をしたりとか。たまには、というかしょっちゅう邪険に扱われながら、でもシャーロックに恋をしていたりとか。

Sin はぁ、いじらしい……。

Miz そういう女性なんですけど。その正典にはいるはずのないキャラクターをヴィクトリア時代で今回やるからっていうので、そこに登場させてて。

Sin うん。

Miz でも、同じようにモルグで働かせようと思ったらどうしたらいいかな、っていうので、男装して、女性だっていうのを隠して。これまたちょっと萌えますね。

Sin しかもちょっと格好良かったよね。

Miz 格好良かった(笑)。

Sin あら、好みだわーと思って。

Miz えっとね、『SHERLOCK』の本国の方の公式のyoutubeチャンネルがあるんだけど、それに、今回の『忌まわしき花嫁』のエピソードに当たって「みんなどのキャラクターが好き?」っていうので、質問してる動画が上がってるんだけども、ベネディクトさんとかモファットさんはモリーって言ってんの。

Sin いや、格好良かったもん。普通にルックスが。

Miz (笑)。

Sin アンダーソンさんもいたけどね。

Miz あぁ、いましたね。ちらっとだけおったね。

Sin うん。

Miz いや、でもすごく上手いなって思ったことの一つが、結局その現代版からヴィクトリア朝時代に改変するにあたって、モリーを出させるために男装させてるのかなと思いきや、それ自体がちゃんと謎解きの一つのキーアイテムとなって、後に生きてくるっていうのが素晴らしいな、と思いました。

Sin そうだねー。

Miz ただのお楽しみでは終わらない。ま、何かって言ったら、結局このお話の謎のトリックっていうのは、当時、参政権も持たない女性の地位向上を目指した運動家たち、女性たちが集まって起こした事件でしたっていうのが真相だったわけだけれども。

Sin 働く女性たち、になるのかな?

Miz そうですね。働きたい女性たち。自分たちの人権をちゃんと認めてくれっていう女性たちが起こした事件だった。で、この一員としてモリーもいて。ちゃんと、ただのおふざけじゃないっていうのが素晴らしいなと思って。

Sin うん。

Miz で、そこだけじゃなくて。一見、今回ヴィクトリア時代の話をするから、だからこういう風にこのキャラクターを改変してるんだろうなとかって思ったやつが、ちゃんと今度は『SHERLOCK』っていう大きな物語の中の、マーク・ゲイティスさんとスティーヴン・モファットさんが私たちに仕掛けた、ヴィクトリア時代のただの番外編じゃなくて実は続編だったっていうのの、大きなキーパーソンとなる、時々現れるモリアーティ。

Sin 近所のおっさんみたいに言いなや(笑)。

Miz (笑)時々現れるモリアーティが、これはヴィクトリア時代のシャーロックとジョンの二人の出会いから始まりますけど、間ちょいちょい飛ばしてあって、ちょいちょい冒険をして。で、ライヘンバッハ後っていうのが、主なエピソードの時間軸だったんだよね。

Sin うん。

Miz だから滝でモリアーティ教授とシャーロック・ホームズが戦って、モリアーティ教授が滝から落ちて死んだ、でシャーロック・ホームズが帰ってきた。そういう時間軸でのお話だったじゃない。メアリーも出てきてるしね。

Sin そうだね。

Miz でも、妄想なのか何なのか、モリアーティが出てくる。

Sin ねー。出てきたねー。びっくりした。

Miz (笑)そう。でも私たちは観ていてさ、あれがヴィクトリア時代のお話の、その中でのモリアーティやと思って観てる。

Sin そう。

Miz でも、もう一回観たら分かるんだけど、喋ってる内容、全然現代の話してるの。

Sin あ、そう。

Miz 現代版の。

Sin なんかね、一人だけ服が今っぽいなと思ってん。……あ、違う? 印象だけ?

Miz いや、ちゃんと着てたよ。

Sin なんか、一人ちゃんとスーツっぽいんかなと。

Miz いや、ちゃんと昔の服着てた、一応。

Sin あ、ほんま?

Miz あ、でもなんかその、分かりにくかったかなぁ。

Sin 違和感がそんなになかったからかな。

Miz あ、似合ってた?

Sin 似合ってたんか! じゃ、それは良かったね(笑)。

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Podcast 第42回を文字起こし:【ネタバレ】またも「奴ら」にしてやられた!『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』に散りばめられた、喜ばしき罠(2)に続く→

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(Last Update:2016年10月11日)
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普段はジャパン演劇界の片隅で公演やイベントをプロデュースしたり、デザインしたり、パンを捏ねたり、色々手がける何でも屋さん。小さな頃から洋画が大好きで、ジャニーズアイドルには見向きもせずハリウッドスターを追いかける少女時代を送り、今に至る。『ロード・オブ・ザ・リング』が好き過ぎてNZを訪問したことをきっかけにロケ地巡りに目覚め、『SHERLOCK』のロケ地ロンドンを訪れて以来、英国の虜となる。今注目の俳優は、ヒュー・ジャックマン/ジェイク・ジレンホール/ジャック・ダヴェンポート/コリン・ファース/ベネディクト・カンバーバッチ/タロン・エジャトンなど。ただ今、ロンドンとの心理的距離を縮めるべく英会話を猛勉強中。
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「ハリウッド、なにそれおいしいの?」が合言葉で、ほんの数年前までは知ってる海外俳優はゲイリー・オールドマンとロバート・ダウニー・Jrだけと言ってもいいほど洋画に興味が無かったけれど、友人に誘われうっかり参加したNY旅行をきっかけに洋画沼にハマる。そうこうしているうちにロンドンの魅力に取り憑かれ、足掛け2年で近所のTSUTAYAの英映画ラインナップを制覇。今やAmazon.UKから次々と新作を輸入し楽しむ日々を送っている。今注目の俳優・監督は、ショーン・ハリス/エディ・マーサン/ロリー・キニア/ジュリアン・リンド=タット/トーマス・アルフレッドソン。ロンドン活動に勤しむ一方で、舞台女優の顔も持つ、マイペースで奔放な自由人。